このページは「読み物」ではなく「いつでも開く手引き」です。覚える必要はありません。
まずは「なぜ使うのか」「使わないと何が困るのか」だけ分かれば十分。操作は、そのつど見ながらで構いません。
ブックマーク(お気に入り)に入れておくと、別タブですぐに見られます。
◆ まず、いちばん大事なこと
道具は「敵」ではなく「若い従業員」だと思ってください
Google Workspace も Slack も 生成AI も、要は「文句を言わず、24時間働く、記憶力が完璧な新人スタッフ」です。
最初は教えるのに少し手間がかかりますが、一度覚えさせれば、二度と同じことを聞かれず、絶対にサボらず、給料も上がりません。
うまくいかないのは「社長の能力」のせいではありません。最初の設定でつまずいているだけです。
厨房の新しい機械と同じで、最初の据え付けさえ済めば、あとは毎日同じボタンを押すだけになります。
◆ ITツールで手に入る「4つのない」
むずかしい話の前に——道具を使うと、毎日の仕事から“4つの面倒”が消えます
① 手を動かさない
くり返しの単純作業を、機械が肩代わり。
例:会議を録音すれば議事録が自動でできる/日々の売上が自動でグラフに/口コミが来たら自動でお知らせ
② 迷わない
やり方をクラウドに置けば、誰でも見て動ける。
例:手順書・Q&A・事例集を共有→新人が自分で動ける。同じことを何度も聞かれない
③ 探さない
資料を決まった場所に、秩序よく。
例:フォルダを整え、検索一発で目的の書類に到達。「あの資料どこ?」が消える
④ 移動しない
オンラインで、その場で完結。
例:オンライン会議で移動ゼロ/店にいながら本部の打合せ・確認ができる
★ ここがポイント:
ITは「難しいことを覚える」ためではなく、「面倒を減らして、時間とお金を生む」ための道具です。
この「4つのない」を1つずつ増やしていく——それがDXの正体です。
① Google Workspace(グーグル・ワークスペース)
ひと言でいうと「会社共通の道具箱」/“探さない・移動しない”の土台
メール・カレンダー・書類・写真などを、インターネット上の金庫にまとめて入れておく仕組みです。
自分のパソコンが壊れても、スマホからでも、同じ中身を取り出せます。
◆ なぜ、みんなこれを使うのか(3つの理由)
① いつも“最新が1つ”
書類が1か所にまとまり、最新版は常に1つだけ。「どれが最新?」という混乱が消えます。
② どこからでも開ける
店でも自宅でも、パソコンでもスマホでも、同じ中身を見られる。外出先でも確認・修正できます。
③ 消えない・なくさない
自動で保存され、ネット上に保管。パソコンが壊れても、USBを忘れても、中身は無事です。
◆ 使わないと、こんな不便(あるある):
- 「〇〇_最終_v2_本当に最終.xlsx」が量産され、どれが正しいか分からなくなる
- 一人が開いていると他の人が直せない。メール添付で何度も往復する
- 外出先で「あの資料、店のパソコンにある」となり、その場で確認できない
- USBの紛失やパソコンの故障で、大事なデータが一瞬で消える
◆ 中に入っている主な道具(と、無いと困ること)
| 道具 | お店でいうと… | これが無いと困ること |
| Gmail | 会社の郵便受け | 連絡が個人LINEや電話に散り、記録が残らず「言った・言わない」になる |
| Google ドライブ | みんなで使う大きな金庫・書類棚 | 最新版が分からない/PC故障で書類が消える/USBを忘れる・なくす |
| スプレッドシート | みんなで同時に書ける売上ノート | 各自バラバラのExcel・紙を手で合算。転記ミスと二度手間が増える |
| Google カレンダー | 壁にかける予定表 | 予定が口頭で散り、ダブルブッキングや伝え漏れが起きる |
| Google Meet | オンラインの会議室 | 毎回集まるための移動時間がかかる(“移動しない”が効く) |
◆ 最初の入口(ログイン)— この3手だけ
1
パソコンで Google Chrome(クロム=丸いカラフルなマーク)を開く。なければデスクトップのこのマークを探します。
2
画面右上の丸いアイコン(または「ログイン」)を押し、会社のメールアドレスとパスワードを入れる。
3
入れたら右上の「点が9個(⋮⋮⋮)のマーク」を押す。ここにドライブ・カレンダーなどの道具が並んでいます。これが「道具箱のフタ」です。
★ パスワードでイライラしないコツ:
最初に入れるとき「パスワードを保存しますか?」と聞かれたら必ず「保存」を押す。
これで次回からは入力不要です。パスワードは紙のメモではなく、ブラウザに覚えさせるのが安全で速いです。
◆ よく使う操作 — これだけ知っていれば十分
A
書類を“探す”:ドライブを開いて、上の検索窓に名前の一部を打つだけ。フォルダを掘らなくても一発で出ます。
B
写真をスマホから入れる:スマホの「ドライブ」アプリで「+」→「アップロード」。厨房・メニュー・伝票の写真をその場で保管できます。
C
人に渡す(共有):書類の右上「共有」→相手を選ぶ、または「リンクをコピー」してSlackやメールに貼るだけ。添付の往復が不要に。
D
売上をグラフにする:スプレッドシートに数字を入れて、範囲を選び「挿入→グラフ」。日々の動きが“見える”ようになります。
◆ クラウド保存(ドライブ)の考え方
「クラウドに保存」とは、書類を自分のパソコンの中ではなく、ネット上の共有金庫にしまうこと。
これだけで、上の「不便あるある」がほぼ全部なくなります。
- どこからでも開ける:店でも自宅でも、スマホでも同じ書類が見られる
- 消えない:パソコンが壊れても、水をこぼしても、中身は無事
- 渡さなくていい:URL(場所のリンク)を送るだけで、相手と同じ書類を共有できる
② Slack(スラック)
ひと言でいうと「仕事専用のチャットアプリ」/“探さない”連絡の決定版
スマホのメッセージと同じ感覚で、文字や写真を送るだけです。難しい操作はありません。
では、なぜわざわざ仕事用のアプリを使うのか——理由はシンプルで、
お店の連絡が驚くほど楽になり、ミスと手間が減るからです。
◆ なぜ、こうしたアプリを使うのか(3つのメリット)
① 連絡が1か所に集まる
店の連絡・写真・相談が、すべてここに集約されます。あちこち探す必要がなく、伝え漏れ・見落としがぐっと減ります。
② 話題ごとに片付く・あとで探せる
店ごと・テーマごとに「部屋」が分かれ、用件が混ざりません。検索すれば、過去のやり取りもすぐ見つかります。
③ 会社の“記録”として残る
連絡が会社に蓄積されます。担当者が代わっても履歴や写真が残り、引き継ぎや「言った・言わない」の防止に役立ちます。
★ ここが安心ポイント:
新しく覚えることは多くありません。スマホでメッセージや写真を送れる方なら、Slackの基本はもうできます。
まずは1つの部屋に一言送ってみる——それだけで十分なスタートです。
◆ こうしたアプリを使わないと、こんな不便(あるある):
- 連絡が口頭・メモ・あちこちの個人連絡に散らばり、大事な伝達が抜け落ちる
- その人しか知らない情報が、休んだり辞めたりすると分からなくなる
- 電話だと相手の手が止まる・記録が残らない・「言った言わない」になる
- 写真や資料が個人のスマホに埋もれ、探すのに時間がかかる
◆ 「チャンネル」=話題ごとの部屋
Slackでは話題ごとに「部屋(チャンネル)」を作ります。例えば——
| 部屋の名前(例) | そこで話すこと |
| # 風の杜 | 風の杜の連絡・シフト・気づき |
| # 花の杜 | 花の杜の連絡 |
| # 全店連絡 | グループ全体へのお知らせ |
| # 仕入れ・原価 | 仕入先・値段・新商品の情報 |
頭の「#(シャープ)」が「部屋」の目印です。用がある部屋を選んで書き込むだけ。
◆ 使い方 — この5つを覚えれば十分
1
メッセージを送る:下の白い枠に文字を打って、Enter(エンター)キーを押すだけ。スマホのメッセージと同じです。
2
写真・書類を送る:枠の左の「+」マークを押して、送りたい写真やファイルを選ぶ。スマホなら厨房やメニューの写真もそのまま送れます。
3
特定の人に気づいてもらう:「@(アット)+相手の名前」を付けると、その人に通知が飛びます。例:「@駿翼 これ確認して」。
4
あとで探す:画面上の検索窓に言葉を入れれば、過去のやり取りや写真がすぐ出ます。「あの話どこだっけ」が消えます。
5
スマホでも使う:スマホに「Slack」アプリを入れておけば、店にいなくても連絡が届きます。アプリストアで「Slack」と検索。
③ 生成AI(ChatGPT・Claude などの「賢い助手」)
ひと言でいうと「頼めば文章を作ってくれる、物知りの助手」/“手を動かさない”の主役
ChatGPT(チャットジーピーティー)やClaude(クロード)、Gemini などをまとめて
「生成AI」と呼びます。スマホでもパソコンでも、無料から使えます。やってほしいことを
ふつうの言葉で書くだけで、文章・翻訳・要約・アイデアをその場で作ってくれます。
社長は「直して使う」だけでよくなります。
◆ 代表的なAIと、得意の違い(使い分け)
ChatGPT(チャットGPT)
オールラウンド型。アイデア出し、幅広い相談、画像づくり、最新情報の検索などが得意。「とりあえず何でも聞いてみる」最初の1つに向いています。
Claude(クロード)
長い資料に強く、事務作業まで“代行”できる。長い議事録・契約書・決算資料をまるごと読ませて要約・整理。さらに「Cowork(コーワーク)」という使い方では、パソコンの中のファイルを直接さわって、事務作業そのものを代わりに進めてくれます。
★ 迷ったら、こう覚える:
どちらも無料から使え、最初は片方で十分です。長い資料を読ませる・きちんとした文章を作るなら Claude、
画像づくりや幅広い相談なら ChatGPT——くらいの使い分けで大丈夫です。
◆ Claude の“すごいところ”=事務作業そのものを自動化(Cowork):
Claude には、
パソコンの中のファイルを直接操作して作業を代行する「Cowork(コーワーク)」という使い方があります。
チャットで頼むだけで、画面の中の事務仕事を
人の代わりに進めてくれます。たとえば——
- バラバラの資料から数字を集めてExcelの表・集計をつくる
- フォルダやファイルの整理・名前づけ、必要な書類の取り出し
- 請求書や売上データの転記・チェック・レポート作成
- 毎月くり返す事務を一度手順を教えれば自動でくり返す
「文章を作る」だけでなく、
「事務作業そのものを肩代わりする」——ここが他のAIと大きく違う点です。
まさに“4つのない”の
「手を動かさない」を実現する道具です。
◆ お店で“効く”使い方(例)
| やりたいこと | AIに頼むと… |
| 議事録づくり | 会議の録音や走り書きを渡すと、議事録・要点・やることリストを自動でまとめてくれる |
| メニューの多言語化 | 日本語メニューを貼るだけで、英語・中国語などに翻訳。インバウンド対応がすぐできる |
| 口コミへの返信 | 口コミの文を貼ると、丁寧な返信文の下書きを作ってくれる(最後に手直し) |
| 求人・SNS・お知らせ | 「こんな内容で」と伝えると、募集文や投稿文の下書きが一瞬で完成 |
| 長い資料・メールの要約 | 長文を貼ると、3行の要点に短くしてくれる。読む時間が激減 |
| アイデア出し | 「夏の限定メニュー案を10個」など、たたき台をいくつも出してくれる |
◆ 使い方 — 基本はこの3手だけ
1
開く:スマホのアプリ(ChatGPTやClaudeなど)か、パソコンでサイトを開く。最初だけメールで登録します。
2
ふつうの言葉で頼む:下の枠に「○○して」と書くだけ。きれいな日本語でなくてOK。話しかけるように書けます。
3
出てきた文を直して使う:気に入らなければ「もっと短く」「やさしい言葉で」と追加で頼めば、何度でも作り直してくれます。
◆ 頼み方のコツ(例文をまねするだけ):
「誰に・何を・どんな感じで」を添えると、ぐっと良くなります。
例1:「新規のお客様向けに、風の杜の餃子を紹介する Instagram の投稿文を、親しみやすい感じで3案つくって。」
例2:「この口コミに、丁寧でお詫びを含む返信文を120字くらいで。」(口コミ本文を貼り付け)
例3:「この録音メモから、議事録を『決まったこと/やること(担当)/次回』の形でまとめて。」
◆ 注意(ここだけ守れば安心):
- 機密は入れない:個人情報や、まだ公表していない数字・取引条件などは打ち込まない。
- AIは間違えることがある:特に数字・固有名詞・法律は、最後に必ず人の目で確認してから使う。
★ 操作で困ったときも、AIが先生になります:
使い方が分からないことは、ChatGPTやClaudeに「Googleドライブで写真を共有する方法を、初心者向けに手順で教えて」
のように聞けば、その場で教えてくれます。24時間、何度でも、いやな顔ひとつせず。
分からないことは人に聞きづらくても、AIになら気兼ねなく何度でも聞けます。
④ つまずいたときの「困った3か条」
これだけ覚えておけば、たいていの問題は解決します
困った 1
画面が違う・どこか分からない
いったん閉じて、開き直す。スマホやパソコンも、人間と同じで「一度休ませる(再起動)」と直ることが多いです。
困った 2
パスワードが分からない
「パスワードをお忘れですか?」を押せば、登録メールに再設定の案内が届きます。慌てず、メールを確認。
困った 3
それでも進まない
画面をそのまま写真に撮っておく。「今こうなっている」を残しておけば、AIや人に聞くときスムーズです。
◆ 大切な心構え:
「壊したらどうしよう」と恐れる必要はありません。ボタンを押して会社のパソコンが壊れることはまずありません。
間違えても元に戻せます。むしろ、いろいろ触ってみるのが上達の一番の近道です。
◆ よくあるご質問
Q. 覚えることが多すぎて不安です。
A. 全部を一度に覚える必要はありません。まずは「Slackで一言送る」「ドライブで書類を1つ開く」「AIに文章を1つ作らせる」。
どれか1つで十分なスタートです。残りは必要になったときに、このページを見れば大丈夫です。
Q. 生成AIは、お金がかかりますか?
A. 無料から始められます。まずは無料の範囲で十分。もっと使いたくなったら、月額の有料版を検討すればOKです。
Q. スマホとパソコン、どちらで使えばいい?
A. 連絡(Slack)やAIへのちょい頼みはスマホが手軽。書類づくり(スプレッドシート等)はパソコンが見やすい、と使い分けると楽です。
Q. セキュリティは大丈夫?
A. Google も Slack も、世界中の大企業が使う仕組みです。むしろ個人のUSBや紙より、なくす・盗まれる危険が低いです。AIだけは「機密を入れない」を守れば安心です。